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第1回講演会

当学会発足して十余年、その間に関ヶ原の戦いに関する新たな説がいくつか出てきていました。歴史は過去の文献や資料を発掘し紐解いては検証し、新説として発表しながら、様々な目線でその説を確度の高いものへと昇華していく作業です。今回は日本史のトップ5に入る出来事として、関ヶ原の戦いを題材に関する新説を、当学会小和田哲男会長に講演いただき、それに基づいて東軍の立場と西軍の立場とに分かれて解説いただく対談を第二部に設定しました。対談に登壇いただいたのは、東軍解説として小和田会長が、西軍解説として淡海歴史文化研究所所長の太田浩司(おおたひろし)氏にお願いし、東西それぞれの新説に基づいた戦国絵巻を語っていただきました。

◆日時:2025年4月16日(水)
◆会場:清水文化会館マリナート大ホール
◆式典:徳川家臣団大会・第1回講演会
◆講演:講師/小和田哲男(当学会会長)

題目:「新説 関ヶ原の戦い」

第二部では、石田三成率いる西軍の立場から、その研究に造詣の深い淡海歴史文化研究所所長の太田浩司(おおたひろし)氏を交え、小和田会長にファシリテーターをお願いし、太田講師には西軍目線から、小和田会長は東軍の目線から、それぞれの新設から近年の研究成果をご披露頂きました。歴史ドラマで有名なシーンである「小山評定」は果たしてあったのかなかったのか、福島正則の西軍への加担に石田三成も尽力していた事、実のところ三成の関ヶ原合戦の戦略はことどとく誤算の連続であったなど、小さな事実の積み重ねを丹念に時系列に沿ってご紹介いただき、時代の分かれ目である合戦の深い事情が手に取るようにわかりました。対談の中には、家康公ゆかりの地である静岡で、合戦以外の優れた三成の功績を話されることに少なからず反感を持たれるかもしれない感をユーモアを交えてお話しいただき、会場の笑いをとるなど、会場の雰囲気もよく、小気味の良い対談が展開されました